2020年9月27日~30日の4日間。
東京芸術劇場アトリエイーストにて展示いただいた書作品です。
今年は会場入って直ぐのポジション。
草書長条幅二幅
私は長く小品を続けてきました。それこそこのまま一生涯コレなんだろうと思っていました。私のポートフォリオ「自作の書」をご覧いただければわかります。サイズとしては全く代わり映えの無い世界ですが、様々な書体を書かせていただいた点は面白かった。何より横着者ですので師の言うところの ちょんの間 で書けるのは負担は無く助かりました。
ところが、息子や嫁さんがどんどん大きな作品に挑戦し、上手なっていく。自覚は無かったのですがその姿に少なからぬコンプレックスも抱えていたようです。先にやっているのに。どうして私には。それでも大きくなるのは面倒だ。やりたくないし無理だ。でも、このままだったらもう書かなくてもいいんじゃないか。どうも癪にも触る。
そうした胸中でいると、突然、まるで満を持したように作品が大きくなります。普通の教育では考えられないこと。学校で言えば飛び級です。しかも三段四段飛ばし。私は「無理です!」と言いましたが「いいから書いてみて、書けるから」と先生。わけもわからず「絶対無理だ!」という思いを抱えながら必死に書きました。そして書けたのです。
思えばコンプレックスも含め全ての条件が揃うのを待っていたのでしょう。鳳煌氏から聞くに「成長の過程や方法は本来が全員違うから。もしゆとり教育というを本当に実践している所があるとしたら僕の所ぐらいだろうね。かなり大変だよ。全員違うから。そこに加えて嫉妬もあるし。よそ見ばかりするし。環境はほっといても変化するし。それら全部ひっくるめた上で指導するんだ」そう仰ったそうです。この十八年ほどを振り返ると万感の思いです。